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    Medical Fitness 未来を拓くために

    • 日本メディカルフィットネス研究会会長
      医療法人宮仁会猫山宮尾病院内科部長
      メディカルフィットネスCUOREセンター長

    • 太田 玉紀

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      1985年に造語として誕生したとされるメディカルフィットネスは、緩やかながら成長を続けています。1988年に旧厚生省が運動型健康増進施設認定規程を策定し、2017年3月24日現在で339施設が運動型健康増進施設の認定を受け、そのうち210施設は利用料が医療費控除の対象となる指定運動療法施設に指定されています。また、医療法第四十二条第一項第四号(1992年)に基づいて、医療法人に認められた附帯事業である疾病予防運動施設も全国各地で展開されております。

      内科医として運動療法を診療に取り入れている筆者は、2008年から現職場であるメディカルフィットネスCUORE(医療法42条施設、指定運動療法施設)に勤務しておりますが、利用者(患者)が疾病改善の効果を得ていることに遣り甲斐を感じ、運動療法を実践する場としてのメディカルフィットネスに魅了されています。

      その一方で、メディカルフィットネスの社会的地位が確立されているとは言えず、個々の努力では解決しがたい問題に囲まれているのが現状です。筆者が日々痛感している課題の柱は次の通りです。

       

      普及
      メディカルフィットネスの認知度は未だ低く、用語や定義を広く一般に伝えることが急務です。運動が有効な治療方法の一つであり、医療費の削減に有用であることを強調しても良いのではないかと思います。

       

      啓蒙
      運動療法に消極的な医療従事者の理解を深めるよう働きかけを続ける必要があります。運動に対して正しい理解を示している医療従事者を増やすこと、さらに医療従事者が受診者(患者)に疾病予防や対策としての適切な運動実践を促すようになることが理想です。

       

      連携
      多職種協働で業務を行うことは利用者にメリットをもたらします。医療系スタッフと運動指導系スタッフがしっかりと連携していく姿勢が重要です。

       

      育成
      リスクのある利用者に対応できる運動指導者が現場には必須です。雇用の創出のためにも、コメディカルに準ずる運動指導者が養成されるとともに、各種団体が認定している資格制度の見直しが行われることに期待を寄せています。

       

      運営
      不採算を免れる経営方針を再構築し、職場環境の安定を図ることを第一に考えたいです。

       

      訴求
      運動療法を実践する場としてメディカルフィットネスを有効活用するよう、行政や立法にアピールする必要があります。指定運動療法施設の利用料が医療費控除の対象となる制度はあるものの、それを利用するには一定の条件を満たさねばなりません。より多くの人が運動療法の恩恵を被るよう、既存の制度の改正や新制度の設置を切望しています。

       

      教育
      医療系学生および運動指導系学生が、運動療法についてカリキュラム内で正確な知識を得ていることが望まれます。

       

      研鑽
      メディカルフィットネスに従事する者は運動療法の効果について検討し、その成果を発信する努力が大切です。教育機関との共同研究などは、施設の質を向上させてくれるでしょう。

       

      これらの課題を克服するには、メディカルフィットネスに携わるあらゆる職種のメンバーが力を合わせていくことが大切です。幸い2011年2月26日に本研究会の基盤ができて以来、フォーラムやセミナーなどを通じて、多くの皆様と現場を重視した情報交換をさせていただいております。これらが原動力となって課題解決に向かい、メディカルフィットネスが洋々たる未来を切り拓くことを願っております。